宇宙消失 (創元SF文庫)作者: グレッグイーガン,Greg Egan,山岸真出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 1999/08/22メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 107回この商品を含むブログ (181件) を見る

以下多少ネタバレあり。注意!


2034年、正体不明の暗黒球体が太陽系を包み込み夜空から星が消えた。小説の舞台はそれから33年後の未来世界。
ナノテクによりニューラルネットワークを自由に再結線し、脳へのさまざまな機能付加―通信、暗号化、精神力強化、果ては死んだ妻の幻影見せる―を可能にするモッドという技術が一般化しているとんでもない未来のお話。
このモッドと量子論(特に波動関数収束問題)を軸に話は進んでいき、ついに暗黒球体の正体が判明(?)する…とここまでは非常に興奮しながら読んだのだがその後の展開がぐだぐだなのがちょっと残念。イーガンによる波動関数収束問題へのユニークな解答とそこから導き出される暗黒球体の正体というところまで非常によくできてたのですが、風呂敷をたたみきれなかったという感じでしょうか、というか暗黒球体の正体判明の時点で話を終わらせてもよかったのでは?

今同じイーガンの万物理論 (創元SF文庫)を読書中。2004年海外ベストSF(このSFが読みたい2005年版)ということで期待大