まとめて書評
GWということで最近読んだ本をまとめて書評。
東京裁判
- 作者: 日暮吉延
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/01/18
- メディア: 新書
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新書としては約400頁と大著だがあっさり読了。
「勝者の復讐」、「文明の裁き」と二元論で語られることの多い東京裁判だが、この本を読むとさまざまな国や人間の思いが交錯しもはやマッカーサーですら制御不可能な、到底二元論では語り得ない国際法廷が出現していたことがわかる。
また検事団、判事団、弁護団ともにまったく一枚岩にはなっておらず、それぞれ内部で繰り広げられる人間ドラマの描写が読むものを引き付ける。
話の本筋からは少しずれるが、いわゆるA級戦犯に対する国民感情の変遷についての作者の鋭い指摘もおもしろかった。おすすめの一冊。
コーランを知っていますか
- 作者: 阿刀田高
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/12/22
- メディア: 文庫
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コーランを知らない人には最適の入門書といえる内容だが、どうにも自分にはあの語り口がなじめなかった。
ぱらっと眺めて抵抗がなければ是非。
民権と憲法 シリーズ日本近現代史2
- 作者: 牧原憲夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/12/20
- メディア: 新書
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な、なんか読みにくかった。
自由民権運動では政府 v.s. 民権派・民衆という構図だとおもっていたが、実際は民権派と民衆の間にも齟齬が生じていたというのが印象的だった。また当時(打算的な意味あいもあったのだろうが)もっとも右翼的な宣伝活動をおこなったのは政府側ではなく民権派だというのも意外であった。
戦後日本経済史
- 作者: 野口悠紀雄
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/01/01
- メディア: 単行本
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こと経済に関しては(戦後ではなく)戦時経済体制がつい最近まで維持されてきたという作者の主張はなかなか説得力があっておもしろい。バブル崩壊の過程が詳しく書かれているのもよかった。
伝える力
- 作者: 池上彰
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2007/04/19
- メディア: 新書
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池上さんによるコミュニケーションHowto本。
実用的だしそれなりにおもしろかったけど、悪くいうと少々凡庸な気がした。やはり池上さんの本領はジャーナリズムでこそ発揮されるということなのだろうか。
憲法9条の思想水脈
- 作者: 山室信一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2007/06/20
- メディア: 単行本
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戦前日本における平和主義思想の概略を知ることができる。
ただ著者としては憲法9条は占領軍から押し付けられたものではなく、戦前から続く平和主義思想水脈の一つの到達点でるあると主張したかったようだが、いかんせんそのように読むことができなかった。どちらかというと各々が独自に欧米の平和思想を取り入れ主張するといった風で、例えていえば水脈というよりは散在する水溜りといった感じであった。
科学哲学の冒険
科学哲学の冒険 サイエンスの目的と方法をさぐる (NHKブックス)
- 作者: 戸田山和久
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2005/01/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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対話形式で読み易いからって、さらっと読んでしまったせいで全然内容が頭に残ってないよ!!もう一度読みます…