夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))


多少ネタバレあり


典型的な時間旅行小説。オチも正直途中でわかってしまう。
でも何故か感動してしまうところが、名作といわれる所以でしょうか。


そしてこの作品の魅力はなんといっても猫のピートのかわいさ。さすが冒頭で「猫好きに捧げる」と書いてあるだけのことはある。
さらにそのピートを溺愛する主人公もこれまたいい。冷凍睡眠に入る直前、薬物に冒されつつもピートを探し求める姿には真剣泣けてきます。


作品の発表が1957年だそうでさすがにSF的描写には幾分古さが感じられるのは否めませんね。
それにしてもこの物語が設定している遠未来、西暦2000年がもう5年以上も前になっているのがなんとも不思議な感じです。
文化女中器(=メイドロボ?!)や冷凍睡眠こそありませんが、製図器ダンがCADとして現実のものとなっていることも時代の流れを感じさせてくれます。


というわけでなかなか楽しめた1冊でした。あぁ猫飼いたい…